エアコンプレッサーにおけるインバータータイプとは?省エネ・コスト削減のカギ
工場や整備工場で使用されるエアコンプレッサー。
近年注目されているのが「インバータータイプ」と呼ばれる機種です。
従来型と比べてどのような違いがあり、どんなメリットがあるのか。
ここでは専門家の視点からわかりやすく解説します。
インバータータイプとは?
インバータータイプのエアコンプレッサーは、モーターの回転数を自動制御する機能を備えたコンプレッサーです。
通常のコンプレッサー(定速運転タイプ)は
- 常にフル回転でモーターが動作
- 吐出圧力が上がると停止、下がると再起動(オン・オフ制御)
という運転を繰り返します。
一方、インバータータイプは
- 必要な圧力や流量に応じて モーター回転数を調整
- 無駄な運転を抑え、効率的に電力を使用
というのが大きな特徴です。

インバーターコンプレッサーのメリット
省エネ効果
エア需要が少ないときはモーター回転数を落とし、必要なときにだけ高出力で稼働。
そのため、消費電力を20~40%削減できるケースもあります。
電気代の削減
工場のランニングコストの中で大きな割合を占める電気代。
インバーター化により、年間数十万円のコスト削減につながることもあります。
圧力変動が少ない
従来型のオン・オフ制御では、「圧力が高くなりすぎる → 停止」「低くなりすぎる → 起動」
を繰り返すため、圧力変動が大きくなります。
インバーター制御では、常に安定した圧力供給が可能になり、エア工具や機械の性能を最大限発揮できます。
機械寿命の延長
頻繁な始動・停止が減るため
- モーターへの負担が軽減
- 部品摩耗が少なくなる
結果として、コンプレッサーの寿命が延びる効果があります。
※コンプレッサーの長寿命化についての記事→こちら
デメリット・注意点
もちろんインバータータイプにも注意点があります。
- 初期導入コストが高い(定速機より20~40%高額)
- 電子部品を多く使うため、湿気・粉じんに弱い
- 周波数変換による高調波対策が必要になる場合もある
そのため、設置環境の整備(防じん・除湿・冷却)が欠かせません。

どんな工場におすすめ?
インバーターコンプレッサーが特に効果を発揮するのは
- エア需要が変動する工場(時間帯で使用量が異なる)
- 複数ラインを持つ生産現場
- 省エネ補助金を活用して導入を検討している企業
逆に、常にフル稼働で安定したエア需要がある工場では、定速機の方がコストメリットが出やすいケースもあります。

まとめ
インバータータイプのコンプレッサーは
- 省エネ・電気代削減
- 安定した圧力供給
- 機械寿命の延長
といったメリットを持つ最新機種です。
一方で、導入コストや環境条件も考慮する必要があります。
もし「電気代を抑えたい」「省エネ補助金を活用したい」と考えているなら、インバーターコンプレッサーは有力な選択肢になるでしょう。
インバーター搭載機種を知りたい、職場の設備に合った能力を持っているか知りたい等
気になることがありましたら是非お問い合わせください。