エアコンプレッサーのオイルクーラーとは?仕組みと役割を解説

エアコンプレッサーの安定運転を支える要の一つが「オイルクーラー」です。

普段はあまり注目されない部品ですが、実はコンプレッサーの寿命・効率・信頼性に直結する重要な要素です。

ここでは、オイルクーラーの仕組みと役割、メンテナンスのポイントまでを解説します。

オイルクーラーの役割とは

スクリュー式エアコンプレッサーでは、圧縮時に発生する熱をオイルが吸収します。

そのオイルを冷却して再び循環させるのがオイルクーラーの役割です。

圧縮中の空気温度は200℃近くにも達するため、冷却が不十分な場合様々な不具合を引き起こします。

熱が引き起こす不良

  • オイルの粘度低下
  • 部品の熱膨張によるクリアランス不良
  • オイル焼け・カーボン化による詰まり
オイルクーラー


つまり、オイルクーラーはコンプレッサー内部温度を一定に保ち、機械を守る冷却の要なのです。

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仕組み:熱交換器による効率的な冷却

オイルクーラーは、熱交換器の一種です。

主に以下の2方式が使われています。

① 空冷式(ファン冷却タイプ)

ファンモーターによって空気を強制的に流し、オイルの熱を放出する方式。

構造がシンプルでメンテナンスが容易なため、小型~中型コンプレッサーに多く採用されています。

ただし、周囲温度が高い夏場などは冷却効率が低下しやすく、定期清掃が欠かせません。

② 水冷式(冷却水循環タイプ)

冷却水を使ってオイルを冷やす方式。

冷却能力が高く、大型機や高負荷運転が続く現場に適しています。

ただし、水質管理が重要で、スケール付着や腐食対策が必要です。

オイルクーラーの進化と省エネ化

近年のコンプレッサーでは、オイルクーラーにも改良が進んでいます。

オイルクーラーの進化

  • フィン形状の最適化による熱交換効率の向上
  • インバータファン制御で、冷却風量を自動調整
  • 熱回収機能を併設し、オイルの廃熱を給湯や暖房に再利用

これらの工夫により、単なる冷却部品ではなく、省エネ・環境貢献を担う要素としての役割を果たすようになっています。

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メンテナンスポイント

オイルクーラーの性能低下は、コンプレッサー全体の故障につながります。

以下の点を定期的に確認することが重要です。

オイルクーラーのメンテナンスポイント

  • フィン部の目詰まり(ホコリ・油分)清掃
  • オイル温度の異常上昇がないかモニタリング
  • 水冷式の場合は冷却水の流量・水質管理
  • 熱交換器の漏れや腐食の早期発見
オイルクーラー清掃

特に空冷式では、冷却フィンに汚れが付着することで熱伝導率が著しく低下します。

年1回以上の定期清掃を行うことで、冷却効率・オイル寿命・機械寿命を大幅に改善します。

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まとめ

オイルクーラーは、エアコンプレッサーの「影の立役者」です。

冷却がしっかり行われていれば、オイルも部品も長持ちし、結果的にエネルギー効率も改善します。

定期的な点検と清掃を心がけることで、“冷える力”がコンプレッサーを守るということを、ぜひ意識してみてください。

具体的な点検方法や清掃方法を知りたい等、気になることがありましたら是非お問い合わせ下さい。

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