コンプレッサーのオイル漏れがもたらす影響と主な原因とは?
コンプレッサーにおけるオイル漏れは、単なる機械の不具合では済まされません。
性能の低下だけでなく、環境汚染や作業現場の安全リスクにも直結する重大なトラブルです。
本記事では、オイル漏れによる具体的な影響と、考えられる主な原因について詳しく解説します。

目次
オイル漏れが与える3つの影響
① 機械効率の低下とコスト増加
オイルはコンプレッサー内部の摩擦を減らし、部品の冷却を補助する重要な役割を担っています。
オイルが漏れることで摩擦が増加し、機械の稼働効率が低下します。
さらに、摩耗の進行によって部品の寿命が短くなり、早期の交換が必要となるため、運転コストも上昇してしまいます。
② 環境汚染のリスク
オイルには石油由来の化学物質や添加剤が含まれています。
そのオイルが外部に漏れ出すと地面や水源を汚染する恐れがあります。
特にコンプレッサーを屋外に設置している場合、雨水により漏れたオイルが周囲に流出し、環境保護の観点からも深刻な問題となります。
③ 安全リスクの増加
漏れたオイルが高温部や火花に触れることで、火災の危険性が高まります。
また、床に広がったオイルで足を滑らせ、作業者が転倒・負傷する事故も起こり得ます。
安全な職場環境を維持するためにも、オイル漏れは速やかに対処すべきリスクです。

オイル漏れの主な原因5選
① シール・ガスケットの劣化
コンプレッサーのオイル漏れで最も多い原因は、シールやガスケットの劣化です。
これらの部品は圧力や温度変化により劣化しやすく、長期使用による摩耗も避けられません。
定期的な点検と計画的な交換が必要不可欠です。
② 設計を超える過剰な圧力
コンプレッサーが設計以上の圧力で稼働すると、内部の配管やシール部に大きな負担がかかります。
その負荷が劣化を早め、オイル漏れを引き起こします。
圧力設定を適切に保つことで、漏れのリスクを低減できます。
③ 高温によるオイル粘度の変化
高温環境下ではオイルの粘度が低下し、シール材も劣化しやすくなります。
この結果、密閉性が損なわれオイル漏れが発生しやすくなります。
冷却機構や換気の強化も検討しましょう。
④ 物理的な損傷
落下物や外部からの衝撃により、配管やシールにひびが入ったり、破損したりすることがあります。
不適切な取り扱いや設置中のトラブルにも注意が必要です。
配管を跨ぐ移動などをする際は十分に注意しましょう。
⑤ モーターの逆相(回転方向の誤り)
三相モーターでは、電源の接続順序が逆になると回転方向も逆になります。
この状態でコンプレッサーを始動させると、通常と逆方向に圧縮が起き
吸気部などからオイルが噴き出す可能性があります。
モーター接続前には必ず回転方向の確認を行いましょう。

まとめ:定期点検と早期対応が鍵
コンプレッサーのオイル漏れは、放置すると機械寿命の短縮、環境問題、安全事故など、様々なリスクを引き起こします。
これらを防ぐには、日常の点検と適切な保守管理、圧力や温度の管理、そして異常が発生した際の迅速な対応が重要です。
オイルの減りが早い、床にオイルが漏れている等ありましたら是非お問い合わせください。