コンプレッサーの圧力スイッチとは?仕組み・役割・故障の兆候まで解説!
工場や現場で使われるエアコンプレッサー、その“見えない司令塔”ともいえるのが「圧力スイッチ(プレッシャースイッチ)」です。
日々の運転の安全性や効率に密接に関わる部品でありながら、意外とその役割や構造は知られていません。
この記事では、圧力スイッチの基本的な仕組みから役割、故障時のサインまで、専門家の視点でわかりやすく解説します。
目次
圧力スイッチとは?
圧力スイッチは、設定された圧力(上限・下限)に応じてコンプレッサーの運転・停止を自動制御する装置です。
タンク内の空気圧を常に監視しており、「一定以上に上がったら停止」「下がったら再起動」というように、機械の稼働を最適に保つ役割を果たしています。

圧力スイッチの主な役割
① 過剰な加圧の防止(安全性の確保)
設定した上限圧力(カットアウト圧)に達すると、スイッチが作動してコンプレッサーを自動停止させます。
これにより、タンクの破裂や機器の損傷といった重大事故を未然に防ぎます。
② 圧力低下時の自動起動(安定供給)
タンク内の空気を使用して圧力が下限圧力(カットイン圧)まで下がると再びスイッチがオンとなり、コンプレッサーが起動します。
この働きによって常に安定した圧力供給を維持します。
③ 無駄な運転の防止(省エネ・長寿命化)
必要なときだけコンプレッサーを動かすため、電力の節約と機械の摩耗低減にもつながります。

圧力スイッチの仕組み
圧力スイッチ内部には、以下のような部品が組み込まれています
- ダイヤフラム(膜)
- スプリング(バネ)
- 接点スイッチ
空気圧が上昇するとダイヤフラムが押され、その力がスプリングの応力を超えたタイミングでスイッチがオンまたはオフに切り替わります。
構造がシンプルなため故障しにくく、メンテナンス性も良好です。

圧力スイッチのトラブル事例と対策
圧力スイッチに異常が起きると、以下のような不具合が発生することがあります:
現象 | 考えられる原因 | 対策 |
コンプレッサーが止まらない | スイッチが接点不良または固着 | 圧力スイッチの交換または清掃 |
圧力が十分に上がらない | 下限圧設定がズレている | 設定の再確認・調整 |
頻繁なON/OFFを繰り返す | タンク容量不足・リークあり | タンク容量見直し・配管の点検 |
まとめ:圧力スイッチの点検が、安全・効率を守る第一歩
圧力スイッチは、コンプレッサーの稼働を見えないところでコントロールしている「縁の下の力持ち」です。
安全運転・省エネ運転・機械寿命の延命において極めて重要な役割を担っています。
もしコンプレッサーに異常が見られる場合は、まず圧力スイッチの点検を!
日常点検や定期メンテナンスでこの小さな部品をチェックするだけで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
気になることがありましたら是非お問い合わせください。