コンプレッサーの補助タンクとは?役割・メリット・選定ポイントを解説
目次
誰に向けた記事か
製造業・工場設備の保守管理担当者や機械設計に関わる技術者
またはエアーコンプレッサー導入を検討している企業担当者を対象としています。
補助タンク(エアレシーバータンク)とは?
補助タンクとは、コンプレッサーで圧縮された空気(圧縮空気)を一時的に蓄えるためのタンクのことです。
「エアレシーバータンク」や「エアタンク」とも呼ばれ、エア配管システムの中で重要な役割を果たします

補助タンクの主な役割
1. 圧力変動の安定化
圧縮空気の供給量と使用量に差がある場合、圧力の変動が起きやすくなります。
補助タンクがあれば一時的な空気の不足を緩和し、安定したエア供給が可能です。
2. コンプレッサーの負荷軽減
頻繁なON/OFF運転はコンプレッサーの寿命を縮めます。
補助タンクを設置することで、起動回数が減少し、機器の長寿命化につながるメリットがあります。
3. ドレン水の分離
圧縮空気には水分が含まれるため、タンク内部で冷却されると水が発生します。
補助タンクはドレン分離装置としても機能し、配管や機器へのダメージを防ぎます。

補助タンクの導入が特に有効なケース
- 工場内で複数の機械が不規則に圧縮空気を使用する場合
- エアツールを使った作業で瞬間的な空気消費量が大きい場合
- 圧力変動が生産品質に影響を与える製造ラインの場合
補助タンクの容量の目安と選び方
一般的には、コンプレッサーの吐出空気量の20〜50%の容量を持つ補助タンクが推奨されます。
コンプレッサーの吐出量に対するタンク容量の目安は下記の様になります。

選定時のチェックポイント
- 吐出空気量(m³/min)
- 使用圧力(MPa)
- 空気の使用サイクル(連続 or 間欠)
- 設置スペースと重量制限
補助タンク導入の注意点
- 法令による圧力容器の定期検査が必要な場合があります(労働安全衛生法)
- ドレン排出バルブの定期清掃・点検を忘れずに
- タンク内部は時間とともにサビが発生する可能性があるため、材質や内面処理にも注意

まとめ:補助タンクでコンプレッサーシステムを最適化しよう
コンプレッサーに補助タンクを組み合わせることで、圧力の安定・コンプレッサーの長寿命化・ドレン処理の向上など
さまざまな効果が得られます。
導入を検討する際は、空気使用量や使用環境に応じた最適なタンク容量を見極めることが重要です。
何か気になることがありましたら是非お問い合わせ下さい。