コンプレッサーの逆止弁とは?役割・故障時の症状・交換のタイミングまで解説!
目次
誰に向けた記事か?
・工場設備の保全・メンテナンス担当者
・空気圧縮機(コンプレッサー)を運用している企業の技術者
・コンプレッサーのトラブル原因を探している方
・設備の長寿命化・省エネ化に関心のある人
逆止弁(チャッキ弁)とは?コンプレッサーでの役割
逆止弁(チェックバルブ、チャッキ弁とも呼ばれる)は、空気や流体の逆流を防止するための装置です。
コンプレッサーでは、圧縮した空気がタンクや配管から圧縮機側へ逆流するのを防ぐという重要な役割を担っています。
写真の赤丸部分は逆止弁の1種(ダイヤフラム式)である電磁弁になります。

なぜ逆止弁が必要なのか?
● コンプレッサー停止後の逆流防止
コンプレッサーが停止した際、タンク内の圧縮空気が逆流すると圧縮機に負荷がかかり、始動不良や機械故障を引き起こすリスクがあります。
● エアラインの安定運用
逆止弁があることで、エアライン全体の圧力バランスを保持し、安定した運転が可能となります。

故障するとどうなる?逆止弁のトラブル症状
逆止弁が劣化・破損すると、以下のような不具合が発生します。
症状 | 考えられる原因 |
タンク内圧がすぐに下がる | 逆止弁のシール不良 |
コンプレッサーが頻繁に再起動する | 逆流による圧力低下 |
異音がする・振動がある | 逆流による打音や共振 |
始動時に過負荷で停止する | モーターへの負荷増加 |
点検・交換のタイミングと方法
● 点検ポイント
- タンク圧が短時間で低下しないか
- 起動時に異音や振動がないか
- エアリーク音がしないか(目視と聴診で確認)
● 交換時期の目安
- 使用頻度にもよりますが、約2~5年での交換が推奨されます。
- 油分やスケールの影響で早期劣化する場合もあるため、定期点検を怠らないことが重要です。

逆止弁の種類と選定ポイント
コンプレッサーに使用される逆止弁には以下のような種類があります。
種類 | 特徴 | 用途例 |
スプリング式逆止弁 | 小型で構造がシンプル | 小型コンプレッサー |
ピストン式逆止弁 | 大流量対応・耐久性高い | 工場用エアコンプレッサー |
ダイヤフラム式 | クリーンなエア向け | 医療・食品産業 |
選定時は、流量・圧力・使用温度・空気の清浄度などを考慮する必要があります。
まとめ:逆止弁を理解してトラブルを未然に防ごう
逆止弁は、コンプレッサーの安全・安定運転の要ともいえる部品です。
小さな部品ですが、トラブルが起きると生産ライン全体に影響を及ぼすこともあります。
定期点検と適切なタイミングでの交換によりトラブルを未然に防止し、設備の長寿命化・省エネ化に繋げましょう。
逆止弁の様に直接見えないうちに劣化していく部品はいくつもあります。気になることがありましたら是非お問い合わせください。