エアコンプレッサーのマグネットスイッチとは?仕組みと重要性を専門的に解説

エアコンプレッサーには、電動機(モーター)や制御回路を守るための多くの電気部品が使われています。
その中でも、もっとも基本的で重要な役割を果たすのがマグネットスイッチ(電磁接触器)です。
普段は目立たない存在ですが、コンプレッサーの「安全な始動と停止」を支える縁の下の力持ちです。
目次
マグネットスイッチの基本構造と仕組み
マグネットスイッチは、電磁石の力で大電流をON/OFFする装置です。
エアコンプレッサーのモーターを直接スイッチで操作するのは危険なため、このマグネットスイッチが間に入り、制御信号によって安全に電力を切り替えます。
構造を成り立たせる3つの要素
- コイル部:制御回路から電気を受けて磁力を発生
- 可動接点・固定接点:磁力で引き合い、主電源をON
- 復帰バネ:電流が切れると接点を開放しOFF
つまり、「小さな制御信号で大きな電流を安全に操作する」ことが、マグネットスイッチの基本原理です。

エアコンプレッサーにおける役割
エアコンプレッサーでは、マグネットスイッチが以下の制御を担っています。
マグネットスイッチの役割
- モーターの始動・停止制御
- アンロード運転(無負荷起動)の制御回路との連動
- 過負荷・異常時の遮断(サーマルリレーと連携)
- 自動運転制御盤への信号中継
例えば、圧力スイッチが「設定圧力に達した」と判断すると、マグネットスイッチのコイルがOFFとなり、主回路の電流を遮断。
これによりモーターが停止します。
このように、マグネットスイッチはコンプレッサーの運転を正確に制御する中枢部品なのです。
故障や劣化のサイン
マグネットスイッチは電気的な開閉を繰り返すため、徐々に接点が摩耗・焼損していきます。
劣化すると現れる不具合
- 始動時に「カチカチ」と異音がする
- モーターが起動しない、または途中で停止する
- 接点部の焦げ、溶着痕が見られる
- コイルが焼けている、または異常発熱
これらの症状を放置すると、最悪の場合モーター焼損や過電流によるブレーカー遮断を引き起こします。
早期発見と交換が、安定稼働を維持する鍵です。

メンテナンスと交換時期の目安
マグネットスイッチの寿命は、開閉回数や負荷条件によって異なりますが、一般的に5〜7年程度が目安です。
定期点検では以下のポイントを確認しましょう。
主な点検ポイント
- 接点部の摩耗・焼け跡・変色
- コイル部の抵抗値・絶縁状態
- ネジ端子のゆるみ・振動痕
- 動作音の変化や遅れ
異常があれば早めに交換し、併せてサーマルリレーや制御リレーも点検することで、電装系トラブルを未然に防止できます。

最近の進化:インバータ制御との連携
近年のインバータコンプレッサーでは、マグネットスイッチの使用回数が減少し、主回路を電子的に制御する傾向が強まっています。
それでも、安全遮断や緊急停止回路としてマグネットスイッチは依然重要であり、
- 低消費電力化されたコイル
- ノイズ対策機能付きタイプ
- 長寿命接点材の採用
など、高信頼化・保守性の向上が進んでいます。
まとめ
エアコンプレッサーのマグネットスイッチは、「電気の入り口で機械を守る安全装置」でもあり、
「自動運転を支える制御部品」でもあります。
小さな部品ですが、これがなければコンプレッサーは安全に動作しません。
定期点検と適切な交換を行うことで、設備全体の信頼性を長く維持することができます。
一度、制御盤カバーを外して中を確認してみて下さい。気づかぬうちにショートして焼けてしまうケースは多く見られます。
少しでも異常を感じたら是非お問い合わせ下さい。

