Vol.003 レシプロコンプレッサの毎日の自主点検
今回、第3回のコラムはレシプロコンプレッサの「毎日の自主点検」についてお伝えします。
メーカー推奨の毎日の自主点検には
1. 油面計→油量点検・補給
2. ドレン抜き→タンク内のドレンの排出
3. 本体→運転中の異常音・異常振動
4. エースコントローラー→作動確認
5. 圧力スイッチ→作動確認
6. アンローダパイロット弁→作動確認
7. 安全弁→漏れ確認(吸込みろ過フィルタの清掃方法)(2019.3.20 更新)
8. 圧力逃し弁→作動確認・漏れ確認、点検
9. 圧力計→作動確認
10. 空気漏れ→点検
です。
皆さん、毎日点検できてますか?
1.油面計→油量点検・補給 ~潤滑油の点検~
潤滑油は作業前・作業後に適切な潤滑油量になっているか必ず点検を!
・コンプレッサが停止している時、油面計の赤丸の間に油面があるようにオイル入り口のキャップを外して給油してください。
・また、定期的(1200Hまたは6カ月)毎にオイル抜きプラグより潤滑油を排出し全量交換してください。その際、オイル抜きプラグを強く締め過ぎると破損の恐れがあります。

明治純正のオイルをご使用ください。
純正以外の潤滑油を使用されますと、オイルアップ、オイルアップによるカーボンの蓄積、カーボンの発火、また摺動部の焼き付きなどが発生しやすく、大きな事故の原因となります。
2.ドレン抜き→タンク内のドレンの排出
一日の作業終了時に、空気タンクの圧力が「ゼロ」にならないうちに、ドレン弁⑪を開けて圧縮空気とドレンを排出してください。

注意事項
・ドレン弁を開けるときは、周りに人がいないことを確認して、徐々に開けてください。急に開けると圧縮空気・ドレンが一気に出て危険です。
・排出中はドレン弁の前に手などを出さないでください。錆などが飛び出してケガをすることがあります。
4.エースコントローラーの作動確認
→連続運転と断続運転を繰り返し運転できているか、作動圧力と復帰圧力の差が正常での確認を確認する。
エースコントローラーとはアンローダパイロット弁の機能(連続運転)と圧力スイッチ機能(断続運転)を一つにまとめた制御装置です。
連続運転を行っている場合は、上限圧力になるとエースコントローラーのパイロット弁が自動的に作動し、モータは起動したまま圧縮運転が止まり、復帰圧力まで下がると自動的に圧縮運転を再開します。
断続運転を行っている場合は上限圧力になるとエースコントローラスイッチが自動的に作動しモータが停止し、復帰圧力になると自動的にスイッチが作動し圧縮運転を始めます。
繰り返し運転ができない・作動圧力と復帰圧力の差が大きい・小さい場合は調整を行ってください。
その際の注意事項
① 規定値以上の作動圧力で運転はしないでください。コンプレッサー・モータの損傷の原因になります。
② 必ず、空気タンク内のエアを抜いてから作業を行ってください。
【調整方法】

① 作動圧力になっても作動しない、またそれ以上圧力が上昇する時には作動圧力以下で作動するように「圧力調整ネジ」で調整してください。
【手順】
・「ロックナット」を緩める。
・「圧力調整ネジ」を左回転⇒圧力が下がる。
・「圧力調整ネジ」を右回転⇒圧力が上がる。

② 作動圧力と復帰圧力の差が広い、又は狭い場合には適正な圧力差で運転するように「ライナー」の追加・削除で調整してください。
【手順】
・「ライナー」を1枚追加⇒圧力差が0.02MPa狭くなる。
・「ライナー」を1枚削除⇒圧力差が0.02MPa広くなる。
【圧力・圧力差調整ができない場合、作動不良を起こす場合】
エースコントローラーを交換してください。
5.圧力スイッチ(汎用)の作動確認
→圧縮機の最高圧力時で運転が停止し、圧力が下がり復帰圧力時に再起動し、圧縮運転をすることを確認する。
圧力スイッチは空気タンク内の圧力が最高設定圧力に達すると、圧力開閉器が作動しモータの電源を切って自動的に停止させると同時に、次の再起動時にモータにかかる負荷を軽減すらためにレリーズ弁により吐出し室から逆止弁間の圧縮空気を大気に開放します。
復帰設定圧力に低下すると圧力開閉器が復帰し電源が入りモータが回転を行い圧縮運転を行います。
圧縮機の最高圧力時で運転が停止しない、圧力が下がり復帰圧力時に再起動し、圧縮運転をしない場合は調整を行って下さい。
【調整方法-制御圧力規定値は取扱説明書にてご確認下さい】
最高圧力調整時の注意:規定値以上の作動圧力で運転はしないでください。コンプレッサ・モータの損傷の原因になります。

① 作動圧力になっても作動しない、またそれ以上圧力が上昇する時には 最高圧力以下で作動するように「圧力調整ネジ」で調整してください。
【手順】
・「ロックナット」を緩める。
・「圧力調整ネジ」を左回転⇒圧力が上がる。
・「圧力調整ネジ」を右回転⇒圧力が下がる。

② 最高圧力と復帰圧力の差が広い又は狭い場合には適正な圧力差で運転するように「差圧調節ボルト」で調整してください
【手順】
・「ロックナット」を緩める。
・「差圧調整ボルト」を左回転⇒圧力差が縮まる。
・「差圧調整ボルト」を右回転⇒圧力差が広がる。
【圧力・圧力差調整ができない場合、作動不良を起こす場合】
圧力スイッチを交換してください。
6.アンローダパイロット弁の作動確認
→圧縮機の最高圧力時で無圧縮になり、圧力が下がり復帰圧力になると圧縮状態に切り替わるかどうかの確認。(アンロードパイロット弁を採用しているコンプレッサの原動機は停止しません。)
アンローダパイロット弁は、空気タンク圧力が上限設定圧力に達すると自動的に働きし、吸込弁を開放して無負荷運転(空運転)します。また復帰設定圧力なると復帰し、吸入弁を無解放状態にし、再び圧縮運転を再開させます。
空気タンク圧力の最高圧力時で空運転しない、圧力が下がり復帰圧力時に再起動し、圧縮運転をしない場合は調整を行って下さい。

【圧力調整方法】
最高圧力になっても作動しない、またそれ以上圧力が上昇する時には 最高圧力以下で作動するように「圧力調整ネジ」で調整してください
【手順】
・「ロックナット」を緩める
・「圧力調整ネジ」を左回転⇒圧力が下がる
・「圧力調整ネジ」を右回転⇒圧力が上がる。

【圧力調整方法】
最高圧力と復帰圧力の差が広い・狭い場合には適正な圧力差で運転するように「ライナー」の追加・削除で調整してください。(必ずタンク内エアを抜いて下さい。)
【手順】
・「ライナー」を一枚追加⇒圧力差が0.02MPa狭くなる。
・「ライナー」を一枚削除⇒圧力差が0.02MPa広がる。
【圧力・圧力差調整ができない場合、作動不良を起こす場合】
アンロードパイロット弁を交換してください。
【最高圧力調整時の注意】
規定値以上の最高圧力で運転はしないで下さい。コンプレッサ・モータの損傷の原因になります。
7.安全弁→漏れ確認(吸込みろ過フィルタの清掃方法)
吸込ろ過フィルタは圧縮機本体に塵埃を吸込ませない働きと防音の役目をしており、塵埃が吸込まれるとシリンダ、ピストンリングの異常磨耗、オイルの汚れ、摺動部のトラブルの原因になりますので定期的に清掃をおこなうことで吐出し空気量減少や寿命低下を防ぎます。

【清掃手順】
・吸込ろ過器のカバーを外してください。
・フィルタを取り出して、ブラシ等で清掃後、エアダスタ等でゴミ・ホコリを吹飛ばしてください。
・フィルタをセットし吸込ろ過器カバーを閉めてください。
【注意事項】
エアダスタを使用して清掃する時は、保護眼鏡を使用してください。
【吸込ろ過器のフィルタも目詰まりが激しい場合】
新品と交換して下さい。粉塵の多い環境では防塵フィルタをお勧めします。