「修理屋のちょこっと為になる話」コラム

Vol.010 コンプレッサ(圧縮機)に関する「ちょこっと豆知識」その3 (ハサップ編)

HACCP(ハサップ)とは

安全で衛生的な食品を製造するための管理方法

原材料の受け入れから最終製品までの各工程ごとに、微生物による汚染、金属の混入などの危害要因を分析(HA)した上で、危害の防止につながる特に重要な工程(CCP)を継続的に監視・記録する工程管理システムで、問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能なシステムです。

2021年6月までの導入が義務化

改正食品衛生法によると、対象となる事業者は2021年の6月までにHACCPを導入する必要があります。つまり、食品関連事業者は遅くとも2021年の6月までにHACCPによる衛生管理制度の導入を行わなければなりません。

HACCP(ハサップ)の対象となる範囲は

HACCP義務化の対象事業
  • 食品の製造、加工、調理、販売などを行う全事業が対象
  • 大手メーカーだけでなく、レストランや居酒屋などの小規模事業者も対象
  • 個人経営の飲食店やスーパーマーケットのような食品の種類が多い事業者も対象(基準B)

小規模な飲食店などで、HACCPで求められる管理方法を実施することは大きな負担になる可能性があるため、「どこまで衛生管理に着手するか」ということを事業形態や規模ごとに「基準A(HACCPに基づく衛生管理)」と「基準B(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)」に分けられます。

HACCPに基づく衛生管理 基準Aと基準Bの違い

「基準A」は、HACCPの7原則12手順に従って衛生管理システムの構築が求められます。つまり、規格適合認証を取得する必要はありませんが、認証を取得するのと同等程度の衛生管理を行う必要があります。

基準Aに該当する事業者とは例えば従業員数が50名を超えるような大企業や大規模な食品工場が当てはまります。

「基準B」はHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が求められます。つまり、HACCPの考え方に基づいて可能な範囲で衛生管理を行うことになります。

基準Bに該当する事業者とは、基準Aに該当しない食品関連の小規模事業者(従業員数が50名未満の事業者)、店舗での小売販売のみを目的とした製造・加工・調理事業者、提供する食品の種類が多く変更頻度が頻繁な業種、一般衛生管理の対応で管理が可能な業種。具体的には従業員数が50名未満の企業が当てはまります。

HACCP義務化の罰則はあるのか?対応しなければどうなる?

食品衛生法の中では罰則について定められているわけではありませんが、「各都道府県知事に委ねる」といったことが記載されています。つまり、食品衛生法の違反によって罰則の対象にならなくても、都道府県が条例によって罰則を設けていれば刑事罰に問われる可能性があるということです。

都道府県が定めることができる条例における罰則は、地方自治法にて定められており、条文は以下の通り。
第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。
二項 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。
三項 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。<地方自治法 第十四条>

つまり、HACCPの義務化を無視していると、場合によっては2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑が課せられる可能性があるということです。
もちろん、特に罰則が設けられないこともありますが、万が一食品衛生に関する危害が発生し、違った形で食品衛生法違反となった場合は3年以下の懲役または300万円以下(法人は1億円以下)の罰金が課せられることになりますので、事業者は事故が発生しないように衛生管理を徹底しておかなくてはならないのです。

また、飲食店営業許可など衛生関係の営業許可取得時にも「衛生管理計画書の策定」がチェックされる可能性があります。営業許可を取得する時に「HACCPによる衛生管理が行われているか」ということが確認されることになるため、この時適当に「後でやります。」みたいなことを言って誤魔化すとマークされることになるかもしれません。

保健所からマークされれば即逮捕とまではならなくても指導の対象となりますので、悪質だと判断された場合は行政処分がくだされることもあります。保健所への届け出は食品関連の事業を行う上で避けて通れない道です。もし保健所に届け出ず無許可で営業を行えば、それこそ無許可営業の罪に問われて懲役刑・罰金刑の対象となります。このことから、HACCPの義務化から逃れることは難しいかと思われます。

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