コンプレッサー(圧縮機)に関する「ちょこっと豆知識」その4(HACCP対策編)
こんにちは、(有)清水機械のお役立ち情報の第11回目です。
今回は前回に引き続き、食品製造の安全衛生管理方法であるHACCP(ハサップ)についてご紹介します。
前回のHACCP(ハサップ)基礎編をご覧になっていない方は下記リンクからご覧いただくと理解がさらに深まります。
コンプレッサ(圧縮機)に関する「ちょこっと豆知識」その4 (HACCP基礎編)
HACCP(ハサップ)とは安全で衛生的な食品を製造するための管理方法です。主に食中毒対策と異物混入対策に重点が置かれています。
現在ではHACCPは安心安全な食品の国際基準となっています。
国内においても、2020年6月よりHACCP導入義務化の法律が施工され、経過措置期間を経て2021年6月より義務化が開始されました。
今回はHACCP(ハサップ)以外の食品規格改定を紹介し、対策についてもご紹介します。
目次
その他の食品規格改定
- ISO22000のハザード管理に「ユーティリティ(水・空気・エネルギー)」が追加されました。
→工業用エアーに含まれる汚染物質の食品への混入対策が必要になり、吹付や吹き飛ばしなどの添加エアーは原材料と同じと考えられます。(2018年6月19日発行) - FSSC22000の要求に以下の項目があります。
『食品に接触する可能性がある油は食品用グレードでなければならない』
※HACCPを基に、より厳しく安全性の高い基準を設定している
このように食品メーカーや食品機械メーカーなど、食品に関わる業界の圧縮空気の常識も変わってきています。
圧縮空気(エアー)との関係性と対策方法
エアーに含まれるダスト・油分は異物混入として扱われますので、エアーに含まれる水分量によってはカビを発生させ、食中毒の原因となることがあります。
しかし、HACCPにはこれらの含有量の数値規定はないので、自社で管理基準を決めて管理をしていく必要があります。
対策① エアーに含まれる異物を除去する→フィルタを取り付ける
・ラインフィルタ…圧縮空気中のダストを除去
・ミストフィルタ…圧縮空気中の油分(オイルミスト)を除去
・活性炭フィルタ…圧縮空気中のオイル(臭い)を除去
対策② コンプレッサーをオイルフリーに替える
対策③ コンプレッサー用のオイルをフードグレードオイルに替える
HACCPは、さまざまなリスクを回避するためオイルフリーのコンプレッサーを推奨しています。
またオイルを使用する場合は、食品グレードオイルの使用が推奨されています。
対策④ エアーの配管方法を見直す
・主管路から分岐を取り出す時は管の上部から逆U字管式に取り出して、直接ドレンが流出しないようにする。
・主管路の最低部にドレン抜きを設置する。
・配管をループにして圧力を均一化し、局所的な圧力低下を防ぐ。