コンプレッサーの圧力は正常なのにエアが足りない?考えられる原因を解説

「圧力計を見ると0.8MPa出ているのに設備が動かない」
「エア工具の力が弱くなった」
「機械がエア不足アラームを出す」
このような相談をいただくことがあります。
実は、コンプレッサーの圧力が正常でもエアが足りなくなるケースは珍しくありません。
圧力(MPa)と空気量(㎥/min)は別の要素であり、圧力が出ていても必要な空気量を供給できていなければ現場ではエア不足が発生します。
今回は、圧力は正常なのにエアが足りない場合の代表的な原因をご紹介します。
1. 工場内のエア漏れが増えている
最も多い原因の一つがエア漏れです。
配管継手やホース、電磁弁などから漏れが発生すると、コンプレッサーは正常圧力を維持しようと運転を続けます。
しかし実際には供給した空気が設備へ届く前に失われているため、使用量が多い時間帯になるとエア不足が発生します。
特に夜間や休日でもコンプレッサーが頻繁に起動している場合はエア漏れを疑いましょう。
2. 吸込フィルターの目詰まり
コンプレッサー本体の圧力は正常でも、吸込フィルターが詰まると十分な空気を取り込めなくなります。
その結果、
- 吐出空気量の低下
- 運転時間の増加
- 消費電力の増加
が発生します。
圧力だけでは判断できないため、定期的な点検と交換が重要です。

3. ラインフィルターの詰まり
意外と見落とされるのがラインフィルターです。
エレメントが汚れて差圧が大きくなると、コンプレッサー出口では正常圧力でも設備側に到達する頃には圧力が低下している場合があります。
特に長期間交換していないフィルターは要注意です。

4. 配管径不足や配管経路の問題
設備増設を繰り返した工場でよく見られるケースです。
- 配管が細い
- 配管距離が長い
- 継手が多い
- フレキホースが多用されている
このような状態では圧力損失が発生します。
コンプレッサー室では正常圧力でも、実際に使用している設備ではエア不足になっていることがあります。

5. ドライヤーや周辺機器の能力不足
コンプレッサー更新後によく発生するトラブルです。
例えば古い機械より吐出量の大きいコンプレッサーへ更新した場合、既設ドライヤーやフィルターの処理能力が不足することがあります。
その結果、圧力損失が増え、設備側でエア不足が発生します。
コンプレッサーだけでなく周辺機器とのバランス確認も重要です。

6. 使用設備が増えている
設備導入当初は問題なくても、
- 新しい機械の追加
- エアブロー箇所の増加
- エア工具の使用増加
などにより消費空気量が増えている場合があります。
この場合、コンプレッサーは正常運転していても工場全体の需要に供給が追いつかなくなります。
7. コンプレッサー本体の能力低下
圧力は正常でも、
- ピストンリング摩耗
- 吸込弁不良
- 吐出弁不良
- Vベルトのスリップ
などにより実際の吐出空気量が低下しているケースがあります。
特にレシプロコンプレッサーでは圧力計だけでは判断できないため注意が必要です。
運転時間が以前より長くなった場合は能力低下のサインかもしれません。
まとめ
圧力が正常だからといって、必ずしも十分なエアが供給されているとは限りません。
エア不足が発生した場合は以下を確認してみましょう。
- 工場内のエア漏れ
- 吸込フィルターの目詰まり
- ラインフィルターの詰まり
- 配管の圧力損失
- ドライヤーや周辺機器の能力不足
- 使用空気量の増加
- コンプレッサー本体の能力低下
「圧力は出ているのにエアが足りない」という症状は、設備全体を見て原因を探ることが解決への近道です。
原因が分からない場合や、吐出量測定や漏れ調査に関して気になることがありましたら是非お問い合わせ下さい。


