コンプレッサーのブレーカーが頻繁に落ちる原因とは?

工場や整備工場で使用されるエアコンプレッサーにおいて、「ブレーカーが頻繁に落ちる」というトラブルは非常に多く発生します。
特に、
- 起動時に落ちる
- 運転中に突然落ちる
- 夏場だけ落ちやすい
- 長時間運転後に落ちる
といった症状は、コンプレッサー本体だけでなく、電源設備側や使用環境側にも原因が潜んでいるケースがあります。
ブレーカー落ちを放置すると、生産停止だけでなく、モーター焼損や配線火災など重大事故につながる危険もあります。
この記事では、コンプレッサーのブレーカーが頻繁に落ちる主な原因と、確認ポイント・対策について分かりやすく解説します。
目次
そもそも「ブレーカーが落ちる」とは?
コンプレッサーに関係するブレーカーにはいくつか種類があります。
保護が無いと起こり得る
- 過電流
- 漏電
- 異常発熱
- 短絡
- モーター異常
主な保護装置
- 配線用遮断器(NFB)
- 漏電ブレーカー(ELB)
- サーマルリレー
- モーターブレーカー
- インバータ保護装置
ブレーカーが落ちるのは「どこかに異常があるサイン」です。

原因① 起動電流が大きすぎる
最も多い原因のひとつが、起動時の突入電流です。
コンプレッサーのモーターは、起動時に定格電流の数倍もの電流が流れます。
特に大型機では、瞬間的に非常に大きな負荷がかかります。
発生しやすいケース
- ブレーカー容量不足
- 電源配線が細い
- 電圧降下
- 同時起動機器が多い
- 古い設備
症状
- 起動した瞬間に落ちる
- 朝一だけ落ちる
- 再起動で落ちやすい
対策
- ブレーカー容量見直し
- 配線サイズ確認
- スター・デルタ始動化
- インバータ化
- 電源系統分離
原因② モーター異常
コンプレッサーのモーター異常でもブレーカーは落ちます。
モーター内部抵抗が異常になると、過電流や漏電が発生します。
特に古い機械では経年劣化による絶縁低下が多く見られます。
主な異常
- 軸受損傷
- 巻線劣化
- 焼損前兆
- 欠相運転
- 絶縁低下
典型症状
- 焦げ臭い
- モーターが異常発熱する
- 回転が重い
- 異音が出る
- 電流値が高い

原因③ コンプレッサー本体の負荷増大
本体側の異常により、モーターへ過剰負荷がかかるケースもあります。
圧縮機内部が重くなると、必要電流が増加し、ブレーカーが作動します。
こうした状態を放置すると、最終的にはモーター焼損につながります。
代表例
- ベアリング焼付き
- 圧縮部摩耗
- オイル不足
- スクリューエレメント異常
- ピストン焼付き
症状
- 運転音が重い
- 回転が鈍い
- 電流値上昇
- 異常振動
- 起動失敗

原因④ 電圧低下・欠相
工場全体の電源環境が原因の場合もあります。
電圧低下とは
必要電圧より低い状態になると、モーターは不足分を電流増加で補おうとします。
結果として過電流状態になり、ブレーカーが落ちます。
欠相とは
三相電源のうち1本が断線・接触不良になる状態です。
欠相状態ではモーターに極端な負荷がかかり、短時間で異常発熱します。
よくある原因
- 端子緩み
- マグネット接触不良
- 古いブレーカー
- 配線劣化
- 電源容量不足
症状
- モーター音がおかしい
- うなり音が出る
- 起動しない
- 一定時間後に落ちる
特に夏場は電圧低下が起きやすくなります。

原因⑤ 冷却不良による過熱
コンプレッサーは冷却できなければ保護停止します。
温度上昇によってモーターやインバータ保護が働き、ブレーカーが落ちることがあります。
主な原因
- 冷却フィン詰まり
- ラジエーター汚れ
- 冷却ファン故障
- 周囲温度上昇
- 換気不足
特徴
- 夏場だけ発生
- 午後に増える
- 長時間運転後に停止
などが典型です。

原因⑥ 漏電
漏電ブレーカーが落ちる場合は、絶縁不良の可能性があります。
特に屋外設置や高湿度環境では発生しやすくなります。
絶縁抵抗測定による点検が必要です。
主な原因
- モーター絶縁劣化
- 配線被覆破れ
- 水分侵入
- ドレン付着
- インバータ内部異常
症状
- 雨の日だけ落ちる
- 湿気が多い日に発生
- 起動直後にELB作動

原因⑦ アンロード不良・残圧起動
スクリューコンプレッサーで多いのが、残圧が抜けずに再起動するケースです。
通常、停止時には内部圧力を逃がして軽負荷起動します。
通常、停止時には内部圧力を逃がして軽負荷起動します。
しかし、
- アンロード弁不良
- 電磁弁故障
- 逆止弁不良
などがあると、高圧状態のまま起動してしまいます。
症状
- 再起動時だけ落ちる
- 停止後すぐ再起動で落ちる
- モーターが唸る
これは非常に大きな起動負荷となります。

原因⑧ ベルト張りすぎ・機械抵抗増加
ベルト駆動機では、ベルト張力過多も原因になります。
強く張りすぎると軸受負荷が増加し、モーター電流が上昇します。
また、
- ベアリング不良
- プーリー芯ズレ
- 回転部固着
なども過負荷要因になります。

原因⑨ ブレーカー自体の劣化
意外と見落とされるのがブレーカー本体の寿命です。
長年使用したブレーカーは内部劣化により、正常電流でも落ちやすくなる場合があります。
症状
- 他原因が見当たらない
- 最近急に増えた
- 夏場だけ敏感
- ブレーカー本体が熱い
10年以上使用している場合は交換検討も必要です。

ブレーカーが落ちた時に確認すべきポイント
① どのブレーカーが落ちたか
- NFBか
- ELBか
- サーマルか
によって原因が変わります。
② 起動時か運転中か
起動時なら突入電流系、運転中なら過負荷・冷却不良系の可能性が高くなります。
③ 異音・異臭確認
- 焦げ臭
- 金属音
- モーター唸り
などは重要なヒントになります。
④ 電流測定
クランプメーターによる電流確認は非常に有効です。
定格超過していれば本体側負荷異常が疑われます。
⑤ 温度確認
モーター・配線・ブレーカー発熱確認も重要です。
ブレーカー落ちを放置するとどうなる?
頻繁なブレーカー落ちを放置すると、
- モーター焼損
- インバータ破損
- 生産停止
- 配線焼損
- 火災リスク
- 圧縮機破損
など重大トラブルへ発展する危険があります。
特に「何度も強制再投入する」のは非常に危険です。
保護装置が動作するには必ず理由があります。
まとめ
コンプレッサーのブレーカーが頻繁に落ちる原因は、単純な容量不足だけでなく、機械異常・電源異常・冷却不良・漏電など多岐にわたります。
特に多い原因は、
- 起動電流過大
- 電圧低下
- モーター劣化
- 本体負荷増加
- 冷却不良
です。
また、古い設備では複数原因が同時発生しているケースも珍しくありません。
「たまに落ちるけど大丈夫」と放置せず、早期点検を行うことで、大きな故障や設備停止を防ぐことができます。
コンプレッサー稼働時にブレーカーが落ちやすい、焦げ臭い気がする等、気になることがありましたら是非お問い合わせ下さい。


